• CRYPTRECは、PQShieldのML-KEM(NIST FIPS 203標準)の外部評価報告書を受け、電子政府推奨暗号リストに初めて耐量子計算機暗号(PQC)を追加した。
  • 暗号政策におけるこの大きな転換は、日本の政府調達や技術サプライチェーン全体でのPQCにおけるPQCの採用を促進し、米国のCNSA 2.0といった世界的な規格との連携を容易にする。
  • PQShieldが提供した本外部評価報告書では、特にサイドチャネル攻撃や物理攻撃からの保護という観点から、安全かつ効率的な実装の重要性が指摘されている。

TOKYO, 2026年4月2日 /PRNewswire/ — 耐量子計算機暗号 (PQC)分野の世界的リーダーであるPQShieldは本日、日本の暗号技術評価機関であるCRYPTRECに対し、NIST(米国国立標準技術研究所)のFIPS 203標準である「ML-KEM」の外部評価報告書を提供していたことを発表した。これを受け、CRYPTRECは電子政府推奨暗号リストへML-KEMを追加することを決定した。これによりPQC導入における大きな障壁が取り除かれ、政府機関や重要インフラ、さらには広範な技術サプライチェーン全体において、各組織がPQCの導入を本格化できるようになる。

 

 

電子政府推奨暗号リストへのML-KEMの追加は、2027年5月までに国の公式な移行ロードマップが発表される予定であることと併せ、日本政府がPQCへの移行を加速させていることを示す初の明確なシグナルと言える。 同リストは政府調達に求められる暗号基準を定めており、民間業界でも広く参照されている。そのため、今回の決定は日本の産業界や輸出エコシステム全体で利用される技術に直接的な影響を及ぼすことになる。

今回の外部評価は、2035年までのPQC完全移行を目指すという、国家サイバー統括室(NCO)のより広範なPQC移行戦略の一環である。日本がこの移行を加速させる中、世界的な標準と歩調を合わせることは、国内産業が国際市場において安全かつ競争力を保ちながらビジネスを展開していく上で不可欠となる。

さらにこれは、各国政府がPQCの「標準化」から「実際の導入」へとフェーズを移行させているという、世界的な政策動向とも合致している。

PQShieldは、NISTが承認したPQC標準ML-KEMの包括的な評価を委託され、理論的な安全性と実装面の両方から分析を提供した。この報告はCRYPTRECの評価プロセスにおいて重要な役割を果たしており、ML-KEMが従来型の攻撃および次世代の量子攻撃の双方に対して「堅牢かつ安全」であること、またすべてのパラメータセットがNISTの安全性レベルを満たし、「汎用的な用途に適用可能である」という同機関の結論を裏付ける根拠となっている。

また本報告書では、PQC導入における最大の課題が、特にサイドチャネル攻撃や物理攻撃への対策を講じた「安全かつ効率的な実装」をどう実現するかにあることが強調されている。PQShieldの評価結果は、こうした課題が現実的に解決可能であることを実証するものであり、安全で堅牢な実装の大規模な普及を後押ししている。

PQShieldは自社のソリューション「UltraPQ-Suite」を通じて、あらゆる技術スタックへの組み込みに最適化された、本番環境対応のML-KEM実装を提供している。

  • 高性能ネットワーキングおよびデータセンターインフラ向けの超高速ソリューション
  • 高度な攻撃に対する耐性を強化した、クリティカルシステム向けの超安全な実装
  • 組み込みデバイスやリソース制約のある環境向けの超小型実装

PQShieldによるCRYPTRECへの協力は、主任暗号研究員の勝又秀一が率いる現地法人PQShield合同会社を通じた、日本国内での活動拡大の一環である。同社は現在、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「経済安全保障重要技術育成プログラム」のもとでサイバーリサーチコンソーシアム(CRC)が実施する研究開発構想へ参画しているほか、産業技術総合研究所や主要な業界パートナーとの協業も進めている。

さらにPQShieldは、英国国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)認定のPQC関連サイバーセキュリティコンサルティング(ACSC)プロバイダーとして、政府機関や重要インフラ運営者のPQC移行計画から実装までを幅広く支援している。同社の暗号研究者とエンジニアからなるチームは、NISTによるPQC標準の共同執筆者でもあり、現在もNIST、IETF、ETSIといった機関において世界的な標準化の取り組みに多大な貢献を続けている。

PQShieldの創設者兼CEO、アリ・エル・カーファラニ博士は次のように述べている。 「PQCは新たなフェーズに突入し、世界的な標準規格、政府の投資、そして業界の発展が足並みを揃え始めています。大手クラウド事業者(ハイパースケーラー)が実用的な量子計算機の実現が間近に迫っていると警鐘を鳴らす中、今後はOEMや半導体メーカーからネットワークセキュリティ、さらには国家の重要インフラに至るまで、エコシステム全体で協調的かつ戦略的にPQCを導入していくことに焦点が移りつつあります。各国政府が明確な移行スケジュールを策定する中での次のステップは、あらゆる組織が自信を持って移行計画を実行できるよう、国境を越えてPQC標準のすり合わせを行うことです。当社のCRYPTRECへの貢献は、社内で進行中の世界トップクラスの研究成果に基づくものであり、これにより新しい暗号技術を実際のシステムに安全に導入することが可能となります。日本のPQC移行を支援し、このグローバルな連携を『実用的なPQC』へと昇華できることを大変誇りに思います。」

PQShieldの主任暗号研究員、勝又秀一博士は次のように述べている。 「今回提出したML-KEMの外部評価報告書は、理論と実装の両方からの包括的な安全性分析を反映したものです。量子攻撃に対する理論上の安全性を確認しただけでなく、性能、パラメータの選択、さらにはサイドチャネル攻撃や障害注入攻撃に対する耐性といった、実運用上の課題についても検証を行いました。PQCの安全性は、基礎となる数学的理論だけでなく、実際のシステムにどう実装されるかに大きく依存するため、この検証は極めて重要です。当社の報告書は、ML-KEMが安全かつ効率的に社会実装できることを証明するものであり、日本のPQC移行ロードマップを支える強固な技術的基盤になると確信しています。」

PQShieldについて
PQShieldは、世界をリードする企業群の将来のセキュリティ基盤を支える、世界標準およびコア技術を創出する耐量子計算機暗号(PQC)企業である。同社のPQCソリューションは、企業の既存システムと連携し、現在から将来にわたって機密データを保護する。チップ、アプリケーション、クラウドのすべてにおいてPQCの高品質かつ安全な実装を提供できる唯一のサイバーセキュリティ企業であり、業界パートナーと共に専用の「PQC SCA(サイドチャネル攻撃)テストラボ」を設立するなど、PQCのサイドチャネル攻撃耐性分野においても権威ある存在となっている。また、世界的なPQC標準化プロジェクトへの主要な貢献企業でもある。

 英国に本社を置き、ヨーロッパ、米国、日本に拠点を構えるPQShieldは、大手ベンチャーキャピタルや企業投資家からの支援を受けている。同社の広範な研究論文はこちらから閲覧可能である。また、世界中の企業や機関におけるPQCの実際の導入事例を紹介するサイバーセキュリティポッドキャスト「Shielded」も配信している。

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