ダーラン(サウジアラビア), 2025年11月26日 /PRNewswire/ — サウジアラビアの国営石油会社Saudi Aramcoの投資戦略部門でベンチャーキャピタル事業を手掛けるAramco Venturesは本日、2026年にフランスのパリにオフィスを新設する計画を発表しました。今回の進出は、事業多角化とエネルギー転換という長期戦略を支える次世代技術への投資を継続して行うなか、Aramcoの世界展開を強力に推進することへの強固な意思を示すものです。

Aramco Venturesは70億ドル以上の資本を運用しており、さまざまな業界における革新的なスタートアップ企業や技術ソリューションの発掘や投資において主導的な役割を担っています。今回同社が開設するパリ事務所は、人工知能、サイバーセキュリティ、産業デジタル化、量子コンピューティングにおいて世界の先駆けとなっているフランスおよび欧州の活気あるイノベーションエコシステムへのアクセスを可能にする重要な拠点となると見られています。

パリ:革新と成長のための戦略的選択

フランスは、政府主導の骨太な取り組みと、スタートアップ、大学、研究者、投資家からなる成熟したエコシステムに支えられ、EUにおけるAI、デジタル、量子技術イノベーションの重要拠点として近年著しい成長を見せています。また、国家量子戦略やAI分野への国家投資といった分野で目覚ましい結果を出しており、技術投資界の主な投資先としての地位を確立しました。

この革新の勢いは、パリ近郊に位置し、数学、物理学、工学分野におけるイノベーションで知られるParis-Saclay Universityを中心とする学術機関、および世界最大のインキュベーション施設「Station F」のような革新的プラットフォームによってさらに力を増しています。

Aramcoの技術・革新担当上級副社長Ahmad O. Al Khowaiter氏のコメント:「Aramcoは、世界が直面している最も解決が困難な課題に立ち向かえる可能性を持つ先進技術を応援しています。当社の世界的ベンチャーキャピタルプログラム「Aramco Ventures」は、イノベーションの最前線を走るスタートアップ企業や急成長企業への資金提供を通じて、サステナビリティから産業用AIに至る幅広い分野にわたり、重要な役割を担っています。これがAramcoの事業多角化につながり、競争優位性をさらに強化する起爆剤となるでしょう。Aramco Venturesはパリ事務所の新設によって国際的な事業基盤を拡大し、欧州の三大ベンチャーキャピタル市場であるフランス、ひいては欧州地域における科学技術の発展により一層の貢献をしていくことを目指します。」

フランスにおけるこれまでの投資の成功を元に

Aramcoはエネルギー、輸送、環境に特化した燃料・エネルギー研究施設をパリに有していることから、フランスにおける研究には既に実績があります。加えて、同社のベンチャープログラムは既にフランスのスタートアップ企業2社(量子コンピューティング企業「Pasqal」、および映像処理システムの効率性とインテリジェント化を目的とした人工視覚技術「ニューロモルフィック・ビジョン」プラットフォームの開発企業「Prophesee」)への投資も行っています。Aramco Venturesはパリ事務所を通じてフランスの起業家、機関、投資家との連携を深め、AI、量子技術、ディープテック、およびサステナビリティ分野における次世代技術の普及を支援します。

Aramco Venturesについて

Aramco Venturesは、世界屈指の総合エネルギー・化学企業Aramcoの企業ベンチャー投資部門です。サウジアラビア東部の石油産業の集積地ダーランに本社を構え、北米、欧州、アジアに進出しています。同社が手掛ける戦略的ベンチャープログラムは、親会社のAramcoにとって戦略的に重要な技術を有するスタートアップ企業や高成長企業に国境を超えて投資を行っており、主に親会社の事業運営における脱炭素化、新たな低炭素燃料事業、デジタル変革の取り組み支援を主眼としています。また、Aramcoの主力技術投資ファンド「Prosperity7」も運営しています。

詳細については、www.aramcoventures.comをご覧ください。