• Abu Dhabi Global Health Week(アブダビ・グローバル・ヘルス・ウィーク、ADGHW)期間中、円卓会議が開催され、世界各国から医療界の重鎮が一堂に会して、医療分野におけるAIガバナンス原則に関する宣言の採択を模索
  • 会議においては、AIの潜在能力活用に向けた主な課題と機会、および医療分野におけるAIの効果的な統合に向けた、機動的な枠組み構築に必要な最適なガバナンス原則についての議論を展開
  • 包摂性、公平性、倫理(DEI)に根ざしたガバナンス原則が患者の安全を確保しつつ責任ある革新を可能に
  • 会議には、アフリカ、米国、欧州、アジア、中東地域から学術界、技術専門家、製薬業界の有力者が参加

アブダビ(アラブ首長国連邦), 2025年4月25日 /PRNewswire/ — 同国保健省(Abu Dhabi、DoH)は、医療部門を監督する規制当局として、各国から政府高官を招聘し、医療分野におけるAIガバナンス原則に関する宣言の策定を目指してHealth Leaders Roundtable(ヘルスケアリーダーズ円卓会議)を開催しました。ADGHWに伴って開催されたこの円卓会議では、人工知能(AI)の潜在能力活用に向けた課題と機会が議題となり、医療分野におけるAIガバナンスの主要な原則について模索しました。

Abu Dhabi Pioneers Collaborative Approach to Responsible AI in Healthcare at Health Leaders Roundtable
Abu Dhabi Pioneers Collaborative Approach to Responsible AI in Healthcare at Health Leaders Roundtable

世界最大のプロフェッショナルサービスファームの一角を占めるPwC社の中東支部との共催となったこの円卓会議の成果は、政府、医療システム、革新者がAIを組み込んだ医療システムの透明性、責任、包摂性確保に向けた協働アプローチの策定に用いられます。

保健局(DoH)議長のMansoor Ibrahim Al Mansoori閣下は「AIは明日の技術ではなく、今日の現実です。我々の多くがAIの普及についていこうと奮闘していますが、子供たちの世代にとってAIは、空気のようなものになるかもしれません。だからこそ、我々は今日、倫理、公平性、安全性に関する決断を共に下す必要があるのです。この宣言により、我々は国境や商業的利益を超えた、世界各国が利用できるガイドラインを確立します。この文書は、各国政府、革新者、医療界の実力者に対して行動を呼びかけるものです」と述べました。

今回の医療分野におけるAIのガバナンス原則に関する宣言は、医療の向上と患者の権利保護を目的とした責任あるAIの搭載に関する指針を示すものです。この宣言は世界各国で利用可能なリソースになるべく策定されており、統一されたガバナンスを促進し、国境を超えて関係者の信頼性の高い参照資料として機能するでしょう。

UAE保健省(Abu Dhabi)次官を務めるNoura Al Ghaithi博士閣下は円卓会議の開会の辞のなかで、「AIは医療分野において類まれな可能性を秘めています。既に、医療ケアの提供、診断、発見の方法がAIによって変革されているのです。しかしながら、大きな選択には大きな責任が伴います。保健省において、我々はAIを原動力として、政策をプラットフォームとして活用することでデータを命を救う知見に変え、その知見を意味のある行動へと変えています。本省のビジョンは、精度が高く、先見性に富み、患者本人に合った医療を提供しながらも、技術よりも人間を中心に据えることです」と述べました。

円卓会議では、参加者が医療分野におけるAIの安全かつ倫理的な利用を可能にしつつ、イノベーションを促進するための機動的な法的および規制の枠組み構築の必要性を再確認しました。人間を中心としたアプローチの重要性についての議論では、データの標準化、データのプライバシーと信頼性、スキル開発、地域社会との連携といった主要なテーマが取り上げられました。

円卓会議から得られた主要な知見:

  • AIツールが実際の臨床基準を満足するための透明性の高い試験的枠組み
  • 地域の制約を越えて規制当局、実業界、学界、市民社会をつなぐ協働エコシステム
  • プライバシー保護、セキュリティ確保、所有権の明確化を行うデータへの責任あるアクセス
  • 医療システム全体で教育と意識向上を改善することでAIスキルの格差解消に取り組み、医療従事者が新たな時代に対応できるようにするための準備
  • AIの活用事例を現実の患者と医療システムの課題に合わせ、技術のための技術導入を回避

なお、今回の円卓会議では、政府関係者、AI専門家、医療業界の重鎮、多国間機関といった国内外の幅広い専門家を招集し、AIを責任ある、効果的かつ公平な方法で導入するための共通の原則と実践についての議論が行われました。

これらの議題は、急発展する保健省のAIエコシステムに根ざしており、医療分野においては数十億件のデータポイントを収集し、人生を変わるような知見に変換しています。

同国の取り組みは、保健省(DoH)が立ち上げたGlobal AI Healthcare Academyが支援しています。この学術機関は、世界各国の医療従事者にAIテクノロジーの効果的な導入に必要な理論的知識と実地訓練を行い、能力向上におけるグローバル基準を打ち立てています。加えて、地域初となるヘルスケア情報交換ツール「Malaffi」は、公立・私立双方の医療機関による患者データの安全なリアルタイムアクセスを提供しています。このシームレスなデータ統合は、AIツールを安全性が高くかつ効率的、また大規模展開に欠かせない要素です。

ADGHWは保健省による政府主導の大規模な取り組みであり、「長寿に向けて:健康と幸福の再定義(Towards Longevity: Redefining Health and Well-being)」という2025年のテーマのもと、イノベーションとコラボレーションのプラットフォームとして機能しています。ADGHWは、世界中の多様なステークホルダーを招集することで、健康と福祉の未来を前進させようとする国境なきコミュニティです。 

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