• ADAS・デジタルコックピット向け車載半導体部品…コネクテッドカー時代に需要急増
  • チップセットやメモリーを含む400個の部品が、6.5×6.5cm のモジュール1つにまとめられた。
  • 「2025年下半期の量産目指す…強固なポートフォリオの構築に拍車」

ソウル(韓国)、2025年2月26日 /PRNewswire/ — LGイノテック (CEO:ムン・ヒョクス) は、電装部品の新製品である車載用アプリケーション・プロセッサー・モジュール (Application Processor Module・以下「APモジュール」) を前面に押し出し、市場攻略に本格的に乗り出すと、26日に発表した。それに伴い、これまでの主力であった電装部品事業を車載半導体分野にまで広げることが見込めるようになった。

LGインコテックの社員が車載APモジュールを紹介しています。
LGインコテックの社員が車載APモジュールを紹介しています。

「車載用APモジュール」は、車内に取り付けられ、ADAS (先進運転支援システム) やデジタル・コックピット (Digital Cockpit) といった車載電子システムを統合制御する半導体部品である。コンピュータのCPUのように、自動車の頭脳の役割を果たす。

コネクテッドカー (Connected Car) や自動運転技術の進展により、APモジュールの需要は年々急増している。これまで自動車に適用されてきたPCB基板の半導体チップだけでは、高度化したADASと高解像度のディスプレーが装着されたデジタル・コックピットの膨大なデータ処理に限界があったからだ。

業界によると、世界の車載用APモジュールは今年の3,300万から2030年には1億1,300万に、毎年22%ずつ増加する見込みだという。

LGイノテックが公開する「車載用APモジュール」の最大の強みはコンパクトなことだ。

6.5cm×6.5cmの小型モジュールには、データ処理やグラフィック処理、ディスプレイ、マルチメディアなどさまざまなシステムを制御する統合チップセット (SoC∙System on Chip) と、メモリーコンポーネント、電力管理半導体 (PMIC∙Power Management Integrated Circuit) など、400個以上の部品が内蔵されています。

同製品を適用すれば、メインボードのサイズを従来よりも縮小することができるため、完成車メーカー (OEM) の設計自由度が高まる。それだけでなく、モジュールに部品が高集積化されており、部品と部品の距離が短いため、モジュールの制御性能がいっそう高まった。

LGイノテックは車載用APモジュールを継続的に高度化させていく方針だ。今年中にモジュールの耐熱性能を最大95度まで高める一方、仮想シミュレーションによる反り (Warpage) 予測によりAPモジュールの開発期間を大幅に短縮する計画だ。

LGイノテックは現在、今年下半期の量産を目指し、北米をはじめ世界の半導体企業向けにプロモーションを活発に行っているところだ。

ムン・ヒョクス代表取締役は、「この度の車載用APモジュールの開発を機に、半導体部品事業の拡大に拍車がかかる見込みが立った。LGイノテックは、差別化された顧客価値を提供する製品を継続的に開発することで、世界の顧客に信頼されるイノベーション・パートナーを目指す」と語る。

LGイノテックは、FC-BGAといった高付加価値の半導体基板と車載用APモジュールを主軸に、2030年までに半導体部品事業を年商3兆ウォン規模にするという目標を掲げている。

[用語の説明]

デジタルコックピット:デジタルコックピットは自動車に取り付けられた最先端のメーターパネルやヘッドアップ・ディスプレー (HUD) といった装置のことである。これを活用することにより、以前はナビゲーションといった付加的な機能しか利用することができなかったが、最近では空調機から車両状態に至るまで総合的な情報を確認することができるようになった。

LGインコテックが開発した車載APモジュール
LGインコテックが開発した車載APモジュール

LGインコテックが開発した車載APモジュール
LGインコテックが開発した車載APモジュール