〜 東京・大阪に続く「国内第3のデータセンター集積地」を実現 〜
南砺市(日本)、2025年12月19日 /PRNewswire/ — 南砺市(田中幹夫市長)および GigaStream 富山株式会社 (南砺市本町1丁目、代表取締役ダニエル・コックス、以下「GigaStream富山」)は、国内最大となるデータセンター集積地「南砺キャンパス」を発表いたします。
「南砺キャンパス」とは南砺市内で合計3.1GWの受電能力を有する事業用地(フェーズ)の開発計画であり、南砺市議会は、本日、GigaStream 富山への第1フェーズ(約13.1ha)の用地売却を議会承認しました。第1フェーズは400MW相当の受電量に対応できる事業地で、著しく不足する国内データセンターの第三の集積地を、官民のパートナーシップにより実現します。
国内におけるデータセンターの約85%が東京圏と大阪圏に所在していますが、災害時対応や冗長性の観点から「第三のデータセンター集積地」の開発が必要だと10年ほど前から課題になっております。
第3の集積地として必要な条件は以下のとおりです。
- 電力供給の量:大量かつ長期に渡り増設可能な電力供給
- 電源供給の質:低炭素・脱炭素・再エネの提供が可能
- 通信接続:複数社の複数ルートの通信網の整備
- 開発可能な土地:長期にわたる拡張が可能な用地
- ハザードリスクの不存在:洪水、高波、液状化、地滑り、活断層、火山活動などの自然災害リスクが低い地域かつ東京と大阪との地震リスクの隔離を実現できる地域
- 強い地域産業基盤:工学系大学、地域の建設事業者、電気工事業者、通信事業者等の存在
- 既存の集積地とアクセス:東京・大阪から3時間以内に移動できる場所かつその交通網の冗長性が保たれている地域
南砺市はこれらを全て満たし、東京・大阪と二等辺三角形を形作る場所に位置しています。日本のGDPの約80%がこの三角形付近に所在しており、南海トラフなどの広域災害時等においても南砺キャンパスからのデータセンターサービス提供が維持できると想定します。東京、大阪、名古屋へはそれぞれ別々の交通アクセス及び通信ルートが存在し、全国のデジタルインフラの冗長性を高めることに貢献します。
欧米においても、日本と同様に大都市に新規のデータセンター着工が困難となり、第三の集積地が、約250km程度離れた場所で整備が進んでいるところがあります。米ペンシルバニア州ランカスター郡(ニューヨークとワシントンDCの間)、スペインにはザラゴサ市(マドリードとバルセロナの間)等が第三の集積地の役割を担っています。
南砺キャンパスでは、海外の事例と同様にAIトレーニング、AIインファレンスまたは幅広いワークロードに対応できる完全なAIファクトリー、クラウドサービスプロバイダーや大手企業のデータセンター等を構築します。物理的要件が整っており、将来的には3.1GW分の南砺キャンパスを提供して参ります。まずは2026年1月に米ハワイ州ホノルル市で開催されるパシフィック・テレコミュニケーションズ・カウンシル(PTC)にて世界への誘致活動を実施する予定です。
南砺市、富山県地域への貢献
南砺市及び富山県全体において、本プロジェクトを通じてデータセンタークラスターの構築による長期的な経済効果を期待しています。地域企業の参画で新たな産業クラスターを県内に作り、雇用創出、地域経済の持続的成長に貢献して参ります。これまでに「10社」以上の市内・県内企業が本プロジェクトに参画しており、今後は南砺市商工会などと連携し、積極的に市内・県内企業の参加を促進する予定です。データセンター建設のノウハウを県内企業に伝え蓄積することでより強い産業基盤を作っていく狙いです。
南砺市について
南砺市は富山県の南西部に位置しており、平成16年に8つの町村が合併して「南砺市」が誕生しました。面積は668.64平方キロメートルで、そのうち約8割が森林であるほか、庄川や小矢部川が北流するなど、豊かな自然に恵まれています。現在の人口は約45,200人で減少傾向が続いていることから、「充実した子育て環境の提供」や「移住先としての高い評価」などの本市の強みを活かし、各種施策による人口減少対策を実施しています。産業では、平野部と山間部で異なり、平野部はアルミニウム、橋梁・建築建材、工作機械等を中心とした製造業、山間部では建設業や観光産業などサービス業の就業割合が高くなっています。人口減少に伴い、市内企業の雇用確保が課題となっています。観光では、平成7年にユネスコ世界遺産に登録された「五箇山の合掌造り集落」をはじめ、家並みが美しい「越中の小京都・城端」、板画家棟方志功の作品が展示される「福光美術館」、町並みから木槌の音が響く「信仰と木彫りの里・井波」など、香り高い歴史・文化遺産に、年間を通じて多くの人々が訪れています。
GigaStream 富山について
GigaStream富山はデータセンター用産業団地開発に特化したデベロッパーです。富山県の地の利をいかし、県内へのデータセンター事業者誘致のためデータセンター事業者に代わり、適地調査、自然災害などのリスク分析、受電設備設計、電力接続や通信接続設計及び実施、用地買収、開発許可取得などを手がけています。データセンター開発事業者の基準を理解し、そのアレンジを行い、即着工可能なデータセンター用地を提供します。土地を売買または賃貸にてデータセンター事業者に提供していきます。
GigaStream富山は、地元企業と共にデータセンター開発者の受け入れ態勢を構築し、データセンタークラスターの実現に尽力して参ります。データセンター用産業団地の完成後も全体の運営・管理を担い、地元企業や地域住民への配慮を長期に渡り行い、信頼関係を保つよう努めて参ります。
南砺市 田中幹夫 市長 コメント:
「GigaStream 富山株式会社様との協定により、新たな産業雇用機会の創出による本市のさらなる発展に寄与できるよう、本プロジェクトの成功に向けて全力で取り組んでいきます。また、本市並びに富山県が次世代デジタルインフラの主要拠点となるよう課題を一つ一つ丁寧に解決し、支援してまいります。」
GigaStream 富山 共同創業者・代表取締役 ダニエル・コックス コメント:
「データセンターの地方分散が10年以上前から課題になっており、その答えを本日、南砺市の皆様とのご協力で発表できて光栄です。3.1GWのデータセンタークラスターを構築することで富山県に新たな産業を地元企業を主役として構築することとなります。富山県の住民のために新たな職場の提供や世界企業の県内進出に全力を尽くして参ります。」
GigaStream 富山 共同創業者・取締役COO Dan Kesler コメント:
「本日の発表は、400MW相当の第1フェーズです。データセンター事業者が安心して理想のデータセンターに着工できる状態にすることは我々デジテル用地デベロッパーの使命です。今後、電力や通信接続、開発許可等の詳細を発表して参りますが、南砺市が日本のデータセンター業界のリーダーとなることを発表できる準備が整いましたので、本日、第1フェーズを発表いたします。」


