KAUSTの科学者がJapan Prizeを受賞するのは2度目で、中東・北アフリカ地域で世界的に名誉ある賞を受賞した唯一の大学
サウジアラビア、トゥワル , 2025年4月16日 /PRNewswire/ — King Abdullah University of Science and Technology(KAUST)は、海洋科学のIbn Sina Distinguished Professor of Marine ScienceであるCarlos Duarte教授が、海洋生態学に対する画期的な貢献と、気候変動に対する自然に基づく解決策としてのブルーカーボン生態系の重大な役割に関する先駆的研究により、国際的に高く評価されているJapan Prizeを受賞したことを誇りに思います。Duarte教授の研究は、海洋を基盤とした気候変動の解決策と、それが地球の環境問題に対応する可能性に対する人々の理解を一変させました。
Japan Prizeは「日本のノーベル賞」とも呼ばれ、科学技術分野において世界で最も権威のある賞の一つとされており、世界の平和と繁栄に貢献する優れた業績を表彰するものです。
Duarte教授の受賞は、海草、マングローブ、塩性湿地を含むブルーカーボン生態系に関する数十年にわたる研究を称えるものです。こういった生態系が覆っている海底はわずか0.2%にすぎませんが、海洋堆積物として毎年埋もれていく炭素全体の約50%を蓄えています。教授の研究結果は、気候変動に対抗し生物多様性を回復するために、これらの生態系を活用する国際戦略を策定する上で重要な役割を果たしています。
Duarte教授は、今年4月16日に東京で、His Majesty Emperor Naruhito主宰の正式な式典で同賞を受賞する予定です。
「Japan Prizeの受賞は、大変光栄なことです」とCarlos Duarte教授は述べました。「地球の健康を回復させる上で、海が持つ並外れた可能性を認めていただいたということだと思います。ブルーカーボンへの注目が、特に若い世代の科学者やリーダーたちの刺激となり、自然に基づいた解決策を受け入れ、気候変動危機に対処するために協力して取り組むという新たな大志の大波になっていくことを願っています。」
「Duarte教授の受賞は、KAUSTの最先端研究への取り組みと、サウジアラビアがグローバルでサステナビリティと環境科学に与えている影響の拡大を反映しています」とKAUST学長のSir Edward Byrne教授は述べました。「海洋保全や気候変動のイノベーション、そして科学における地域的・国際的なリーダーシップを推進し、サウジアラビアのVision 2030とSaudi Green Initiativeを発展させてきたKAUSTの役割を、教授の研究は象徴しています。」
教授は研究以外にも、サウジアラビアの国家的な海洋保全活動やサステナビリティ戦略、海洋管理の推進に貢献してきました。また、世界中のサンゴ礁修復におけるイノベーションを加速させることを目的とするG20 Backed Coral Research & Development Accelerator Platform (CORDAP)の事務局長を務め、世界の海洋政策の形成において中心的な役割を果たしてきました。教授の専門知識は、世界中の気候変動に関わる交渉や海洋保護の枠組みに影響を与え続けています。
KAUSTではこれまで二名がこの賞を受賞しており、Duarte教授は二人目です。2013年、元Vice President of ResearchのJean M. J. Fréchetが、半導体製造に革新的なプロセスをもたらした化学増幅レジスト高分子材料の開発における優れた業績により受賞しました。
KAUSTについて
2009年に設立されたKing Abdullah University of Science and Technology (KAUST) は、食料と健康、水、エネルギー、環境、デジタル領域の分野において、世界とサウジアラビアにおける最も差し迫った科学技術上の課題解決に取り組む研究大学院大学です。KAUSTは、好奇心を原動力とし、学際的なアプローチで研究を行います。
KAUSTには、研究を進めるために世界中から優秀な人材が集まっています。キャンパスには120以上の国籍の人々が住み、働き、学んでいます。KAUSTはイノベーション、経済発展、社会の繁栄の触媒でもあり、研究によって斬新な特許や製品、野心的なスタートアップ企業、地域的・世界的な取り組み、他の学術機関、産業界、サウジアラビアの機関との協力が生まれています。
CORDAPについて
Coral Research & Development Accelerator Platform (CORDAP)は、世界中のサンゴ礁を保護するための研究開発を加速することに特化したG20の取り組みです。CORDAPは、科学者、政策立案者、民間部門間の連携を促進し、サンゴ礁の保全、修復、気候変動への適応のための革新的なソリューションの開発・展開を行うグローバルハブになっています。
KAUSTはCORDAPの主要な資金提供者で、戦略的パートナーでもあり、サンゴ礁の保全に尽力しています。KAUSTの財政支援を受け、CORDAPは非常に重要な研究を推進し、これらの重要な生態系を保護するための革新的なソリューションを開発しています。